母児の健康 食生活 (栄養) 有害物質

妊娠中のハーブ製品利用の注意情報

小浦ゆきえ

国立健康・栄養研究所が運営している『「健康食品」の安全性・有効性情報』で、「妊娠中のハーブ製品の自己判断による摂取に注意して下さい」という情報が発信されました。

料理に使われる一般的なハーブでも 要注意!

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スパイスなどと一緒に料理に使うような一般的なハーブでも、濃縮されたものや大量に利用した場合、母体や胎児へ悪影響がある場合もあります。例えば、ハーブの中には、子宮収縮作用が確認されているものもあるのです。


ハーブティーは、「ノンカフェインだから安心」と、妊活中・妊娠中に好まれる飲み物です。でも、危険なハーブを知らずに自己判断で利用していると、思わぬ結果を招く可能性もあるのです。どう気を付ければよいのか、まずは危険が報告されているハーブを知ることが大切です。

海外諸国の方針

妊娠中のハーブ製品の自己判断による摂取に注意して下さい」の中では、海外諸国の妊婦のハーブ利用に関する方針も紹介されています。

アメリカではFDA (食品医薬品局)がQ&Aとして「質問: 妊娠中に、ハーブ製品、ミネラル、アミノ酸のような「自然な」製品(“natural”products)を摂ってもいいですか? 回答: これらは妊婦に対する安全性は確認できていません。摂らないことがベストです。」と示しています。

カナダではHealth Canada(カナダ保健省)が妊娠中のカフェイン摂取の注意喚起とともに、「妊娠中には適さないハーブティーがあります。」として代表的なハーブを挙げています。例として挙がっているのは、Chamomiles(カモミール)、aloe(アロエ)、coltsfoot(フキタンポポ)、juniper berry(セイヨウネズ)、 pennyroyal(ペニーロイヤル)、buckthorn bark(クロウメモドキ樹皮)、comfrey(コンフリー)などです。

イギリスではNational Health Serviceが「ハーブ製品を薬用量で利用しようとする妊婦に向けてのアドバイス」として、「ハーブ製品を使用する場合は、信頼できる製造販売者の製品を選び、製品の注意書き、特に使用量を守ってください。」「多くのハーブ製品は厳密な品質検査を受けていないことを知っておいてください。」といった注意喚起が行われています。

同じくイギリスのMCA(医薬品規制庁)(現在はMHRA(英国医薬品・医療製品規制庁))は、妊娠中の使用を避けるか、慎重に使用すべきハーブ成分のリストを示しています。

妊娠中に避けたいハーブ

妊娠中のハーブ製品の自己判断による摂取に注意して下さい」の中では、イギリスMCAが2002年に発表した「妊娠中に摂取することを避けるべき、あるいは慎重に利用すべきハーブ素材」のリストを紹介しています。

私も著書「男と女の子宝サプリ」の中で妊娠中に避けたいサプリとして、いくつかのハーブを挙げています。女性ホルモン様物質を多く含むブラックコホシュ、レッドクローバー、プエラリア、大豆イソフラボン、チェストツリーなど。そして、妊娠中の危険が報告されているアロエ、サラシア、ダミアナ、モリンガ、フィーバーフューなどです。

妊娠を目指しているなら、妊活中からこれらのハーブを避けておいたほうが安心ですね。

<文 健康食品アナリスト 小浦ゆきえ> 著書 「男と女の子宝サプリ