アンチエイジング 食生活 (栄養)

ダイエットは量より質の時代に!ダイエットを助ける最新機器

小浦ゆきえ

ダイエットといえば、体重計やメジャーとにらめっこするイメージがありますよね。これは、これまでのダイエットが体重という「量」を測るものだったためです。
計測機器が進化したことで、ダイエットは量の時代から質の時代に突入しようとしています。
今回は、計測機器の進化と、どんなダイエットができるようになったのかを、時代を追ってみてみましょう。

第一世代: 体重計 -体重(量)で測っていたダイエット-

体を測るもっともシンプルな方法の1つが、体重測定です。私たちは生まれる前から体重を予測され、生まれた瞬間から体重計に乗っていますね。さらに、成長記録や健康管理のために必ず測定されるのが体重です。

体重計が誕生したのは15世紀。当時は生理学の実験のために作られた装置でした。

体重計は安価なことと、基本定期な身体測定では体重のみを測定することから、ダイエットの指標として体重を用いる人が多いのですが、体重のみを測るダイエットにはデメリットがあります。それは、「減ったのが体脂肪なのか筋肉なのか区別できない」ということです。もちろん、上手なダイエットで体脂肪だけを減らせていればいいのですが、間違ったダイエットで筋肉が減っていても、それに気付くことができないのです。そのため、リバウンドしやすい体質を作ってしまうリスクがありました。

第二世代: 体脂肪計 -質で測ろうとしたダイエット-

「体重だけでは健康は測れない!」ということがわかってきて、次に誕生したのは体脂肪計でした。

体脂肪計は電気抵抗値(インピーダンス)を利用して脂肪量を測定する機器です。身長や体重が同じ(BMIが同じ)でも体型が違う人がいるのは、体脂肪の割合が違うから。でも、体重計ではそれは測れない。生活習慣病の原因として肥満(体脂肪率が高い)が注目されるようになってきたこともあり、1992年にTANITAが世界初の体内脂肪計を発売しました。家庭用としては、1995年頃から普及してきました。

脂肪の割合がわかるため、ダイエットのよって脂肪を減らしていくときの参考になります。ただ、「割合」しかわからないので、個人の健康管理に利用する場合、「体重が同じで体脂肪率が減った(脂肪が減って筋肉が増えたかも)」「体脂肪率が同じで体重が減った(脂肪も筋肉も減ったかも)」というわかりやすい状況以外は、筋肉の状態を知ることはできませんでした。

第三世代: 体組成計 -これからは、質で測れるダイエット-

健康のためには脂肪を減らすだけでなく、筋肉量や骨量の維持も大切だとわかり、測定機器も進化しました。

体組成計も電気抵抗値(インピーダンス)を利用して測定しています。体脂肪計と違うのは、低周波電流と高周波電流という2つのタイプの電流を流すことで、細胞レベルでの体の状態を分析できるということです。実は、すでに医療や介護予防の分野では使われているのですが、最近、ついに家庭用の機器が発売されました。(TANITA インナースキャンデュアル

体重計では体全体の重さだけ、体脂肪計では重さと脂肪の割合が測れましたが、体組成計では体の組織を脂肪・骨・筋肉などに分けて測定できます。体脂肪計と同様に体脂肪率が表示されるのに加え、生活習慣病のリスクと直結する内臓脂肪のレベルも表示されます。しかも、筋肉量や骨量については重さ(絶対量)を知ることができるのです。また、筋肉の質(中の状態)を分析し、筋質点数や体内年齢という形で教えてくれます。
ですから、適切なダイエットができているかどうか、しっかり確認することができるのです。

ダイエット不要でも妊活中に使いたい体組成計

妊活のために行うダイエットでは、筋肉量を減らさないということがとても大切になってきます。
また、ダイエットの必要はなくても、筋肉量を知ることは大切です。筋肉が減ってしまっている人は、基礎代謝やエネルギー産生能力が落ちています。これでは、卵子や精子の中のミトコンドリアも元気が出せません。代謝アップのためや、妊娠中や育児に必要な体力をつけるために、しっかり測って筋力アップをめざしましょう!