タンパク質が豊富な食品の摂取と体外受精治療成績
魚の摂取量は体外受精や顕微授精の良好な出産率に関連することがアメリカで実施された研究で明らかになりました。
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、タンパク質を多く含む食品の摂取量と体外受精の治療成績との関連を調べるべく、EARTH研究(マサチューセッツ総合病院で不妊治療を受けているカップルを対象に治療成績に影響する要因について調べている現在進行中の研究)に参加している351名の女性を対象にした前向き研究を実施しました。
食物摂取頻度調査票を使い、過去1年間の食物の摂取頻度と1回のおよその摂取量を調べました。調査票では、タンパク質が豊富な食品として、23種類の肉類、3種類の卵類、4種類のナッツ類、4種類の豆類、そして、15種類の大豆食品について尋ねました。
そして、タンパク質が豊富な食品の摂取量で4つのグループにわけ、598周期の治療周期あたりの出産率との関連を解析しました。
その結果、1日の平均の肉類の摂取量は1.2servingsで、内訳は鶏肉(35%)、魚(25%)、精製肉(22%)、赤身肉(17%)でした。
その結果、1日の平均の肉類の摂取量は1.2servingsで、内訳は鶏肉(35%)、魚(25%)、精製肉(22%)、赤身肉(17%)でした。
魚の摂取量は治療周期あたりの出産率と関連し、摂取量が多くなるほど調整後の出産率が高くなりました(34.2%、38.4%、44.7%、47.7%)。
また、魚以外のタンパク質食品を週に2serving分魚に食べ変えた場合、出産率は1.54倍に、精製肉を週に2servings分魚に食べ変えた場合、出産率は1.64倍になることが推定されました。
また、魚以外のタンパク質食品を週に2serving分魚に食べ変えた場合、出産率は1.54倍に、精製肉を週に2servings分魚に食べ変えた場合、出産率は1.64倍になることが推定されました。
これらの結果から魚を食べることはART治療の良好な出産率に関連することがわかりました。
同じタンパク質を豊富に含む食品でも、その種類によって体外受精治療成績との関連性は異なるようです。治療周期前に魚を多く食べていた女性ほど治療周期あたりの出産率が高かったとのこと。
同じタンパク質を豊富に含む食品でも、その種類によって体外受精治療成績との関連性は異なるようです。治療周期前に魚を多く食べていた女性ほど治療周期あたりの出産率が高かったとのこと。
これまでの研究でも魚を多く食べる女性ほど胚盤胞到達率が高かったとの研究報告がブラジルからなされています。
興味深いのは、他のタンパク質豊富な食品を週に2人前を魚に食べ替えることで、治療成績によい影響を及ぼす可能性があることです。特に精製肉から魚に食べ替えるのがよいようです。
筆者らは、魚油に豊富なオメガ3脂肪酸が関与している可能性を指摘していますが、今回の研究では魚油のサプリメントと出産率は関連していません。魚油のサプリメントを摂取している被験者の数が少なかったからかもしれません。
もちろん、タンパク質源として、動物性、植物性、満遍なく食べることが大切ですが、動物性は魚を中心に食べることがよいようです。