食事パターンと精子劣化リスクとの関係
砂糖入りスナック菓子や加工肉、動物性脂肪、精製穀物、赤身肉、ポテト、乳製品を多く食べる「西洋型」食事パターンは、前進精子運動率の低下と関連することがポーランドで実施された横断研究で明らかになりました。
ヴァルミア・マズーリー大学の研究者らは、オルシュテインの不妊治療クリニック通院する114名の男性(20-55歳)に食事摂取頻度調査票を用いて食事調査を実施し、主成分分析という統計学的な方法で、「健康型食事パターン」と「西洋型食事パターン」を抽出し、それぞれの食事パターン度の強さで3つのグループにわけました。
健康型食事パターンとは果物や野菜、豆類、スープ、全粒穀物、ジュース、ナッツ類を多く食べ、西洋型食事パターンとは、砂糖入りスナックや加工肉、動物性脂肪、精製穀物、赤身肉、ポテト、乳製品を多く食べる食事パターンです。
それぞれの食事パターンへの傾向の強さ精液所見との関係を解析した結果、西洋型食事パターンが強い男性は弱い男性に比べて、前進精子運動率が有意に低いことがわかりました。
一方、健康型食事パターンの傾向の強さと精液所見には関連性がみられませんでした。
男性の食事パターンと精液所見との関係については、これまで欧米を中心に多くの試験が実施されています。それらの結果は、概ね、野菜や果物、豆類、全粒穀物、魚介類、不飽和脂肪酸(植物性脂肪)などを多く食べる男性は精液所見が良好で、飽和脂肪酸(動物性脂肪)やトランス脂肪酸、砂糖、精製加工食品を多く食べる男性は精液所見が悪いというものでした。
今回の結果は健康型食事パターンと精液所見は関連しませんでしたが、西洋型食事パターンは低い前進運動率と関連するというものでした。
研究結果の違いは対象者や食事パターンの抽出方法、精液検査の実施方法によるものなのかもしれませんが、男性にとって、なにをどれだけ食べるかは、精子の質に強く影響することは間違いありません。