カップルのカフェイン摂取と体外受精治療成績の関係
体外受精や顕微授精に臨むカップルにとって適量のカフェイン摂取は治療成績に影響しないことがイタリアで行われた研究で明らかになりました。
ミラノのクリニックで体外受精や顕微授精を受けるカップル339組にそれまでの1年間の生活習慣についてインタビューを行い、カップルの1日のカフェイン摂取量とその後の治療成績との関係を解析しました。
カフェイン摂取量はコーヒー1杯で60g、カプチーノ1杯で75mg、紅茶1杯で45mg、カフェインレスコーヒー1杯で4mg、そして、チョコレート10gで6mgとし、1日の摂取量で3つのグループにわけました。
各グループの男女別摂取量は以下の通りでした。
・女性
低摂取グループ(114名):0-86mg(中央値:37mg)
中摂取グループ(116名):87-180mg(128mg)
高摂取グループ(215名):181-480mg(215mg)
・男性
低摂取グループ(112名):0-124mg(62mg)
中摂取グループ(113名):125-209mg(180mg)
高摂取グループ(114名):210-560mg(258mg)
女性の年齢をはじめとした治療成績に影響を及ぼす因子を調整した結果、各グループ間で良好卵子数、移植率、臨床妊娠率、出産率に差はみられませんでした。
このことから体外受精や顕微授精を受けるカップルにとって、コーヒー1日に3〜4杯程度であれば治療成績に影響を及ぼさないことがわかりました。
嗜好品、たとえば、タバコやお酒、カフェイン摂取量と体外受精の治療成績の関係を調べた研究はいくつもなされていますが、タバコ以外、お酒やカフェインは、ほどほどの量であれば影響しないとする結果です。
今回の研究もそれらと同様の結果です。
ただし、カフェインの影響(代謝効率)には個人差がありますし、女性の1日4杯以上、カップルの1日2杯以上のコーヒー摂取は流産リスクの上昇と関連するという報告もあり、アメリカ生殖医学会でもカフェイン摂取量は1日100-200mg程度までとしていますので、妊娠前は、せいぜい、1日に1杯程度にしておくのが無難かもしれません。
ただし、カフェインの影響(代謝効率)には個人差がありますし、女性の1日4杯以上、カップルの1日2杯以上のコーヒー摂取は流産リスクの上昇と関連するという報告もあり、アメリカ生殖医学会でもカフェイン摂取量は1日100-200mg程度までとしていますので、妊娠前は、せいぜい、1日に1杯程度にしておくのが無難かもしれません。