果物や野菜の残留農薬レベルと精子の質
残留農薬が低〜中レベルの果物や野菜のを多く食べる男性ほど精子数が多いことがアメリカの健康な男子大学生を対象とした試験で明らかになりました。
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、「The Rochester Young Men's Study」に参加する健康な男性大学生189名を対象に過去1年間に食べた果物や野菜の残留農薬レベルと精液検査の結果の関係を調べました。
まず、食物摂氏頻度調査票を使い過去1年間の食物の摂取頻度と1回のおよその摂取量を調べました。そして、米国農務省の農薬データプログラムをもとに果物と野菜の残留農薬レベルをスコア(0-6)化し、残留農薬高レベル(スコア4以上)と低〜中レベル(スコア3以下)に分類し、それぞれの摂取量で4つのグループにわけ、精液所見や生殖ホルモンとの関連を解析しました。
その結果、果物や野菜の総摂取量と精子の質には関連はみられませんでした。ところが、残留農薬レベルでみると残留農薬高レベルの果物や野菜の摂取量は精子の質とは関連しませんでしたが、残留農薬が低〜中レベルの果物や野菜を多く食べる男性ほど精子数や精子濃度が高いことがわかりました。残留農薬低〜中レベルの果物や野菜を最も多く食べていたグループの男性は最も少なかったグループの男性に比べて平均の精子数で169%多く、精子濃度で173%多かったとのこと。
このことから、残留農薬は、健康な男性にとって、果物や野菜を食べることの精子の質への有益な影響を弱めることが示唆されました。
農薬が男性の生殖機能にマイナスの影響を及ぼすことは農薬散布に関わる男性への調査では明らかにされていましたが、果物や野菜を食べることでそこに残留していた農薬が及ぼす影響については不明でした。
今回の研究を実施したハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームは、昨年、大学の関連病院で体外受精を受けているカップルの男性パートナーを対象に残留農薬レベルと精液所見の関係を調べ、残留農薬の多い野菜や果物を多く食べる男性ほど総精子数が少なく、正常な形態の精子が少ない傾向にあることを明らかにしました。
それに引き続き、健康な男子大学生を対象に残留農薬と精液所見の関係を調べたところ、残留農薬が低〜中レベルの果物や野菜のを多く食べる男性ほど精子数が多かったことを確かめたというわけです。
研究の概要だけみると、果たして食事から摂取している残留農薬レベルがわかるのか疑問に思われるかもしれませんが、アメリカでは農務省が10州(人口ベースで約半分に相当する)で、果物や野菜を小売しているところから購入し、水洗いした後の残留農薬レベルを測定し、農薬データプログラム(USDA's PDP)として公表しています。その方法は統計学に基づいて調査する州や調査する果物や野菜の種類と量を決定していることから信頼のおけるデータと考えられています。
ハーバード大学の研究チームは農務省の農薬データプログラムのデータをもとに、果物や野菜の種類別の残留農薬レベルを0から6のスコア化し、果物や野菜をスコアが4以上(残留農薬高レベル)と3以下(残留農薬低〜中レベル)に分類し、それぞれの食べる量で4つのグループにわけ、精液所見との関連を調べたといいます。
要するに、科学的な手法で可能な限り、果物や野菜からどれくらいの残留農薬を摂取しているのかを調べたと言えます。
さて、この研究結果をどのように受け止めるべきでしょうか?
研究チームがベースとした農務省の農薬データプログラムの2013年度版では、検査した食物のうち99%以上が環境庁が定める許容量を下回っており、安全上の懸念はなかったと報告されています。
このことは、安全であるとされている残留農薬レベルでも「食べ方」次第では男性の精子の質にマイナスの影響を及ぼす可能性があることを物語っています。
そもそも、果物や野菜はビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの供給源であることから避けることは全く得策ではありません。残留農薬対策としては、無農薬などの果物や野菜を選ぶこともさることながら、無農薬やオーガニックでなくても、果物や野菜の種類をできるだけ偏りなく食べるということで十分ではないでしょうか。
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは、「The Rochester Young Men's Study」に参加する健康な男性大学生189名を対象に過去1年間に食べた果物や野菜の残留農薬レベルと精液検査の結果の関係を調べました。
まず、食物摂氏頻度調査票を使い過去1年間の食物の摂取頻度と1回のおよその摂取量を調べました。そして、米国農務省の農薬データプログラムをもとに果物と野菜の残留農薬レベルをスコア(0-6)化し、残留農薬高レベル(スコア4以上)と低〜中レベル(スコア3以下)に分類し、それぞれの摂取量で4つのグループにわけ、精液所見や生殖ホルモンとの関連を解析しました。
その結果、果物や野菜の総摂取量と精子の質には関連はみられませんでした。ところが、残留農薬レベルでみると残留農薬高レベルの果物や野菜の摂取量は精子の質とは関連しませんでしたが、残留農薬が低〜中レベルの果物や野菜を多く食べる男性ほど精子数や精子濃度が高いことがわかりました。残留農薬低〜中レベルの果物や野菜を最も多く食べていたグループの男性は最も少なかったグループの男性に比べて平均の精子数で169%多く、精子濃度で173%多かったとのこと。
このことから、残留農薬は、健康な男性にとって、果物や野菜を食べることの精子の質への有益な影響を弱めることが示唆されました。
農薬が男性の生殖機能にマイナスの影響を及ぼすことは農薬散布に関わる男性への調査では明らかにされていましたが、果物や野菜を食べることでそこに残留していた農薬が及ぼす影響については不明でした。
今回の研究を実施したハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームは、昨年、大学の関連病院で体外受精を受けているカップルの男性パートナーを対象に残留農薬レベルと精液所見の関係を調べ、残留農薬の多い野菜や果物を多く食べる男性ほど総精子数が少なく、正常な形態の精子が少ない傾向にあることを明らかにしました。
それに引き続き、健康な男子大学生を対象に残留農薬と精液所見の関係を調べたところ、残留農薬が低〜中レベルの果物や野菜のを多く食べる男性ほど精子数が多かったことを確かめたというわけです。
研究の概要だけみると、果たして食事から摂取している残留農薬レベルがわかるのか疑問に思われるかもしれませんが、アメリカでは農務省が10州(人口ベースで約半分に相当する)で、果物や野菜を小売しているところから購入し、水洗いした後の残留農薬レベルを測定し、農薬データプログラム(USDA's PDP)として公表しています。その方法は統計学に基づいて調査する州や調査する果物や野菜の種類と量を決定していることから信頼のおけるデータと考えられています。
ハーバード大学の研究チームは農務省の農薬データプログラムのデータをもとに、果物や野菜の種類別の残留農薬レベルを0から6のスコア化し、果物や野菜をスコアが4以上(残留農薬高レベル)と3以下(残留農薬低〜中レベル)に分類し、それぞれの食べる量で4つのグループにわけ、精液所見との関連を調べたといいます。
要するに、科学的な手法で可能な限り、果物や野菜からどれくらいの残留農薬を摂取しているのかを調べたと言えます。
さて、この研究結果をどのように受け止めるべきでしょうか?
研究チームがベースとした農務省の農薬データプログラムの2013年度版では、検査した食物のうち99%以上が環境庁が定める許容量を下回っており、安全上の懸念はなかったと報告されています。
このことは、安全であるとされている残留農薬レベルでも「食べ方」次第では男性の精子の質にマイナスの影響を及ぼす可能性があることを物語っています。
そもそも、果物や野菜はビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの供給源であることから避けることは全く得策ではありません。残留農薬対策としては、無農薬などの果物や野菜を選ぶこともさることながら、無農薬やオーガニックでなくても、果物や野菜の種類をできるだけ偏りなく食べるということで十分ではないでしょうか。